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「ふぁぁ~、おはよー」
「おはよー!」
「…理絵ちゃん、何かありました?」
「ん~?それは私が聞きたいなっ!」
私は机の上にあるピアスを指差した。
「…ピアス?…あ…。」
かずはあからさまに
知ってるような表情をした。
「かずくんのね~、スーツのポケットに入ってたんだぁ~。
見覚えあるとか~?まさか浮気とか~?」
「…違う!!ありえない!!」
「じゃあなんなのよ!!」
「これは同じ大工やってる子の!!
ピアスが邪魔だから持っててくれって頼まれたんだよ!」
「ふ~ん?」
「本当だから!
俺が理絵以外の女に惚れるかっつーの!」
「まぁいいけど」
「信じろよ!!」
「信じてるし!」
「信じてねーじゃん。もういいし」
『俺、今日電車で行くから』
そう言って一彰は家を出て行ってしまった。
「なんなのよあれ…絶対何か隠してるじゃん」
このケンカは久しぶりの大喧嘩にだった。