京子と九月の空
うごめくオームの間をぬって京子たちは駆け抜けていった。

しかし京子は小石につまづき体制をくずした。
足がふらつき誤ってオームを踏んでしまった。

「きゃあ!踏んじゃったー!」

踏んだ瞬間オームから怪しい液体が飛び出してきた。

「何!?」ビックリした京子はその液体に触ろうとした。

ジュンッ

「キャアッ」

手から白い、少量の煙がでた。
どうやら手を火傷したようだ。

オームから流れ出た液体は、強い酸性のものなのだろう。

「いたーい!」京子の手が赤く腫れた。

「この液体に触っちゃだめだ!ケガを見せてごらん」

神谷は京子の手を取った。

「これはヒドイ・・・、ちょっとしみるけどガマンしてくれ」

そう言うと神谷君は京子の手を舐め始めた。
レロレロレロ。

「いっ痛い!」

傷口がしみる。
しかし徐々に感触が快感に変わってゆく。

「ん・・ん・・んんん!!やめてっ!!!」

京子は恥ずかしくなり思わず神谷を突き飛ばしてしまった。
神谷の顔がニヤりとした・・・。

もう一つの危険が、京子に増えたのだった。

オームに阻まれながらも、二人はどんどんと進んでゆく。

傷口がうずく・・・京子の心内に、少しの変化が見られた。

二人は学校に到着した。

学校周辺は破壊されているが、それがやわらかい物のせいか、オームのせいか分からない。

「みんなどこへ行ったんだろう・・」

その時二人は背後に気配を感じて振り返った。

そこには多分やわらかいモノのせいで死んだであろう
保健所のおじさんだった。顔はビームで黒くなっていた。

「おっ!おじさん!?」

おじさんは何か二人に言いたそうだった。
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