ぼく+きみ
ぼくSIDE

キミと出逢った日





静かな音楽が流れていて、まるで時間がないような空間。
広い室内に人がほんの少しだけ。


僕は今日も図書館で読書をする。

本を選んで、いつものあの席へ。
なんとなくいつも座ってたあの席が、なんだか僕の中では僕の特等席。

けれど今日は、あの席が開いていない。

あの席には、髪の長い女の子。
茶色くて、まっすぐで、きれいな髪の毛。
顔は見えないのに、なんだかいいな、なんて。


少しの間、キミに見とれた。


あの席に座りたかったな…。

けれど仕方ない。
キミが座ってるのだから、僕は他の席じゃなくては。

まぁいいか、なんて自分に言い聞かせる。


僕はあの席しか座らなかったから、なんだかどこに座ろうか迷ってしまう。
どこも落ち着かない気がして。

結局僕はあの席からほんの少しだけ離れた席へ。
座り心地が違うように感じてしまうのは、やはり気のせいだろうか。

まぁいいか。




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