ぼく+きみ




のんびりしてたらなんだかうとうと。
暖かくて意識が夢の中へ行きかけた時に、薄れた視界にキミが映った。

「あの…」

そりゃあ目が覚めるさ。
だって、なんだかいいななんて思った、あの長くて茶色い髪の毛のキミが僕の前にやってきたんだから。
びっくりしないわけないじゃないか。

「これ、もしかしたらあなたのじゃないかなって。
違ったらごめんなさい…」
キミはそう行って、僕のパーカーを僕に差し出した。

なんか足りないと思ったんだけど、これだったのか。
今日が暖かいせいか、自分の物を忘れるなんて。

「わざわざありがとうございます。
なんだか暖かいから忘れてました」
「やっぱりあなたのだったんだ。
当たっててよかったぁ」
キミはそういって笑った。

きれいだ。
僕は純粋にそんなことを思った。
大人びた雰囲気に、どこか幼い面影、白い肌に長くて茶色い髪の毛。
本当に絵になるのではないか、なんて思うくらい。

あぁ、僕はキミに一目惚れというものをしたみたいだ。




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