星の都〜番外編〜
「ねぇ、私が成仏できるように手伝ってくれない?」


俺の目の前にふよふよ浮かびながら、口調からして女らしい霊はそう訊ねてきた。


「は?成仏…?」

「だめ?」


まぁ、成仏してくれるならこっちは有り難いし、少々面倒くさいが手伝ってあげてもいい。


「…何すればいいんだ?」

「あら、手伝ってくれるの?やっさしー!イケメン君の上にこんなに優しいなんて!モテるでしょ、君!」


どーでもいいことを…。


早く本題に戻ってほしい。


「アアアルタァ…早くしてー!」


この後ろにしがみついているお姫様もどうにかしてほしい…。


「何をしてほしいって?そ・れ・はぁー…」


…また嫌な予感が…。


おまけに寒気も…。


「キスして!」

「…………は?」


一瞬何を言っているのか分からなかった。


ラリアのしがみついていた力が抜けた。


きっとラリアも霊が言ったことが理解できなかったのだろう。


「…今何て言った?」

「だから…キスしてって!」

「誰が誰に…?」

「そりゃあ、あなたが私によ!」


…目眩がしてきた…。


何言ってんだ?
こいつは…。


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