world end
「くっ!」
今までの不敵な笑みが、彼女から消えていた。
「紙一重でかわすから、そういう事になる」
彼女は私の槍を完全にかわしていた。
だが、閃光が帯びる、烈風に彼女の身体は引き裂かれ、全身に切り傷が刻まれた。
「嫌味かっ!」
彼女は怒鳴った。
「理解していたか」
そう、彼女が私の槍を回避したのではない。
私が、そう出来るようにしたのだ。
理由は簡単、出来れば生け捕りにしたいという理由である。
あの魔牢という男のことや、なにを企んでいるかを聞かなければならない。
殺すのは聞いた後で十分だ。
「だが、分かったはずだ。お前では私に勝てない」
「だからといって、降伏すると思う?」
ボトッ
地面に重たい物が落ちる。
「えっ…」
サツキは信じられないという顔をして硬直した。
「まだ、抵抗するか?」
サツキの左肩より夥しい鮮血が噴き出す。
「あああああああああっ!!」
左腕を切り落とされ絶叫するサツキ。
「…その程度の覚悟で、よく私の前に現れたものだ」
サツキは聞いているのかいないのが左肩を押さえて、踞っている。
「言えば、逃してやる、お前達の目的はなんだ」
「フォルセス・ドリアード、お前に死んで貰うことだ」
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