world end
ファロロが一通の封筒を持って来た。
王の勅命が記されているのだろう。
「今度は何処ですか?」
封筒を開ける前に聞かれても分かる訳がない。
「そう急くな」
ビリビリと乱暴に封筒を開ける。
「あ、テスランドですか」
勅命の書類を横から覗き込むファロロ。
「こういった書類は見るなといってるだろう」
「あ、ごめんなさい」
テヘと言わんばかりの顔で謝るファロロ。
溜め息をつきながら書類に目を落とした。
やはり今回も私一人の単独任務だった。
「また単独任務ですか?」
「いつもの事だ。慣れたるわ」
「今回は私もお供していいですか?」
「原則として、単独任務の勅命が下ったとしても、三人まで部下を連れていける…が、何故だ?」
「私、テスランドに家族がいるんです。だから久しぶりに顔がみたいし、それに、襲われる可能性があるなら守ってあげたいんです」
「そうか」
正直、私は迷った。
連れていくべきか否か。
「お願いします」
懇願するファロロに根負けし、連れて行くのを承諾した。
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