world end
テスランドに着くとそこは血の臭いが充満していた。
ああ、すでに遅かったかと冷静に判断を下した。
しかし、ファロロはそうはいかなかった。
彼女は走りだしどこかへ行ってしまった。
恐らく家族の生死を確認しにいったのだろう。
私はファロロが帰ってくるまでの間、辺りを散策した。
生きている者は一人もいない。
道端に倒れている少女がいた。
服は血と泥でよごれている。
私は彼女を抱き抱えた。
無惨にも死んでいった少女に自らを重ねて、目から熱いものが流れるのを感じた。
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