ケータイ
レナは最初の一週間をほとんどベッドで過ごした。

主治医は優しそうなおじいちゃん先生。

毎日先生がきて話を聞く。最初は何も話さなかったレナも少しづつ話をした。

小さい時から今までどう育ったのか、家族構成や環境、友人や彼氏、学校ややってたスポーツ。
ちょっとした取り調べ。なのに先生の距離感で話をしてしまえる。
「思い出すとは考えることなんだよ。ゆっくりゆっくり少しづつ、君が元気になればいいだけだよ」

先生の言葉に涙、こぼれた。
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