ケータイ
「…今は学校も行ってない。部屋に閉じ籠ってばかりで。マジ今日、来てく服もなくて。太ったし、ヤバいよね、私。レイジに会っ」
いきなり口をレイジの手がふさいだ。
「…いいから。無理しなくて。しゃべってないと落ち着かない?」
レナは思わず泣きそうになった。
けど、泣かない。レイジに弱いと思われるのは嫌だ。
「俺はレナ…でいいんだよね?ナナじゃなくて」
レナはうなずく。
「レナのしたいようにすればいいと思うし、ま、ここまで話聞いたら協力するよ」
レイジは少し笑って言った。
「暇つぶし、かな」
レナはそれで充分だった。彼氏でもない、友達でもない、味方が出来たから。