ケータイ

ノリは始終ベタベタとくっついてくる。
レイジは苦手だ。
元々女には困らないしあまり興味もない、と言っても普通にだが。

「ここでいい?」
その辺にあるホテルにつれこむ

「レイジ、キス」

ベッドにレイジを押し倒してキスするノリ。安っぽい香水の香りとアルコールの匂い。

援助ってこんな感じか、ふっと可笑しくなった。

「レイジ、シャワーは?」

レイジは答えずにノリの服を乱暴に脱がす。
「ああん、あせんないでよ」
ノリが嬉しそうにくねくねしている。

さっさと終わらせたいだけだ。だけど、この女を踏み台にして辿り着く。

ひたすら腰を振りながらふっと頭によぎる、
「何故俺はこんな事を必死に?」

分からない感情のままその苛立ちをノリにぶつけた。

これはゲームだ。
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