ケータイ
約束時間少し前にアキがやって来た。わざわざ制服を着替えたらしい。いかにもなワンピースをさらりと着ている。
「ようこそ」
レイジはちょっと大袈裟にアキの手をとり挨拶。
アキの緊張が少し溶ける。
構内を案内しながら、たわいない会話。
アキは問いかけてもあまり話さずに笑ってかわす。
やはり警戒している。
ここは大人しく誠実に約束の勉強。
大学の図書館はいいとすっかり気に入っているようで、また、レイジの教え方も良いとすっかりご機嫌。
レイジも久しぶりに勉強したが、レイジには簡単すぎる。
元々何処の大学でもどの学部でも全く問題ない能力があるわけだし、なんなら司法試験も今すぐ合格できる自信もある。
それよりも難しい事がレナの事だ。
一応雇われているわけで…。
だからこうして今アキといるわけで。
レイジは最近良くわからない。
こんな難しいゲームは今までなかった。