ケータイ


久しぶりにサイトで会った男に抱かれた。

優しい男だった。

腕枕に頭ナデナデ。

気持ち良い言葉に優しいセックス。

レナは何故か涙が出た。

「なんで泣くの」
男が聞く。

「わかんない。別に後悔とかじゃないし」

「君さ、好きな人いるんじゃない?」

「……」

「あまりお金に執着してないし、凄く寂しいって感じだったよ」

「…そうかな。でも好きでも無理なんだ」

「…私がこういう事してるのも知ってるし、他にも全部知ってるから、内心軽蔑してるんじゃないかな」

「その男は彼氏なの?」

「…違う。彼氏でも友達でもない」

「じゃ、なに?」

「…味方。」

「味方?…じゃ、君を守るね」

「え。そんなんじゃ…」

「いや、そいつ、君を守るよ。男はさ、その時どきでいろいろ言うけど、味方とは言わないもんな」

「だからもう信じてこんなに荒れなくていいんじゃない?」

「信じる…。」

「そ。大事だよ」

男は1万円をレナに渡しながら、もうやめたほうがいいよ。と言って出ていった。

レイジ…ごめんなさい。私はワガママで、寂しがりやで、そしてまたこんな事したバカだけど、あなたが好きです。
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