Cherre
「ね~ぇ、美桜ォ」

教室に入ると、中学に入ってから仲良くなった、大西佳菜江が話しかけてきた。
「好きな人できたぁ?」
「え…何で?」
「あたし、好きな人できちゃったんだぁ」
「誰!?誰!?」
「えー…美桜が教えてくれたらいいよ?」

佳菜江が恥ずかしそうに言う。

「あたしは…秘密」
「じゃああたしも言わないっ」

佳菜江は口をふくらませた。

…だって迷惑かけたくないもん。

真久とつき合ってることがバレたら、きっとフラれちゃう。

そんなことたえられない。

いくら毎日電話したってメールしたって会いたい。

顔を見て好きって言いたい。

あの目で見つめられたい。

ぎゅっと抱きしめられたい。

見つめあってキスしたい―…

真久と会えないのなら、生きてる意味ない。

本当に真久が好きなの。

たとえ、皆にそのことを言えなくても、

大好きなの―…
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