Cherre
学校からの帰り道、友達と別れたあと、美桜はメールをうった。

『明日も会おうね
大好きだよ』

家に着くと、メールが返ってきていた。

『うん。
夜も電話するから。
愛してる。』

美桜は、真久矢からの『愛してる』をじっと見つめると、微笑んだ。


プルルルル…

美桜のケータイが鳴った。

「もしもし?」
『あ、美桜?』

真久の声。

「今日はね―…」

美桜は学校であったことを話始めた。

…だって、電話やメールは文字や声だけ。

でも会えば顔を見て、抱きしめてもらえる。

キスしてもらえる。

だから、話すことなんかより 、幸せな時間をすごしたい。

『良かったじゃん』
「うん!あ、そー言えば、さっき教室で聞いたんだけど、佳菜好きな人できたんだって!」
『佳菜?』
「うん、中学入って仲良くなった、大西佳菜江ってコ。」
『ふぅん。』
「…真久?」
『何でもない。
で、どうしたの?』
「『美桜は好きな人いないの?』って聞かれたから、『ヒミツ』って答えたの。」
『そっか。』

それからしばらく、二人は話していた。

『ねぇ美桜。
オレとつき合ってるの黙ってるの…ツラい?』

突然真久矢からふられた話題に、美桜は一瞬戸惑った。

「…」
『…オレが好きなのは、美桜だけだから。
安心しろ。』
「…うん。」

真久矢からの、その言葉に、美桜は笑顔になった。
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