Cherre
キーンコーンカーンコーン…

二回目のチャイム。

それは、美桜の一番嫌いな音。

「…行く?」
「…ヤダ…」
「…」

二人はもう一度抱きしめあった。

「…ごめんな。」
「え?」

真久矢は、美桜の髪に顔をうずめ、小さな声で呟いた。

「…何で真久があやまるの?」
「オレが黙ってたいとか言うから、美桜が不安になるんだよな…」
「真久…」

真久矢は美桜を抱きしめ、言った。

「でも…オレが好きなのは、美桜だけだから。
美桜だけを愛してるから。
安心しろ。」

そう言った真久矢の声は、美桜を何よりも安心させた。

「うん…あたしも真久だけを愛してるよ。」

二人はもう一度強く抱きしめあったあと、重い足を動かし、それぞれの教室へ向かった。
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