Cherre
…真久が大好き。

でも、あたしはそれを誰にも言えない。

…あたしだって、みんなに言いたい。

堂々と手をつないだりしたいよ。

でも、みんなにこの事を言えない分、真久はあたしを大切にしてくれる。

だから、いい。
このまま真久と一緒にいられれば、それでいい。

美桜は自分の教室へ向かいながら、もう一度、真久矢への思いを自覚した。


キーンコーンカーンコーン…

休み時間のチャイムが鳴る。

美桜はパタパタと足音を立てながら、音楽室へ向かった。

「真…」
「…」

…え?

誰かと…
話してる。

…あ…
佳菜江だ。

どうして、佳菜江と真久が…?

すると、真久矢の口がパクパクと動く。
何て言ってるの…?

美桜はそんな二人を見ていられず、その場からはなれた。
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