-雪女郎- 千寿
雪洞は、微笑みを絶やさずに言った。








「何でありんしょう?誰かの馴染みのお客様でありんしょう。お待ちになってるんじゃありませんこと?」








「あ、いや・・・」







「馴染みではないのだ。」








少し、どもりながらその客は言った。







しかし、そんなのは嘘だとすぐに雪洞は気がついた。







しかし・・・あえて口には出さず。







「そうでしたか。では、出たほうがよろしいですよ?吉原に足を運んでいらっしゃるなら、どんな規則があるかお分かりんしょう。」








そう言って、再び去りかけたが・・・








「お前さんは・・・夜見世には並んでいなかった!!アンタは・・・」
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