-雪女郎- 千寿
「女に慣れていないフリをし、遊女を騙し、もて遊ぶ最低最悪の男。」









「その通り。」








安江は、清々しい笑顔で言った。








「勿論、私にも仲間がいる。同類がね。」









「負け知らずの仲間たちだ。中には、自殺までした遊女もいたそうだ。」









ニヤリと意地悪く笑う。








雪洞は背筋が凍った。








「そんな中一人の男がね。失敗を告げたんだ。・・・相手にもされなかった、と。」









「その相手が・・・雪洞。君だよ。」








「世の男どもを釘づけにせざる得ない、美貌と色気を持ちつつも・・・客を選ぶという、気性の強さ。気になってね。」
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