-雪女郎- 千寿
「あいつにとっての、最高の遊女は呉葉姐さんだよ。それより、織閖は心配してくれないのか?」









「わっちか?ふふふ・・・お前がいないと、わっちの客が増えるからねぇ。」








「冗談を・・・」








二人で再び先ほどの庭に来た。








「待たせたね、千寿。」








姫椿の木のもとで、千寿が静かに待っていた。








「別に・・・ただ、毎年の恒例だろ?ここで、思い出に耽って飲むのは。」








「女将さんにも酒を特別の貰った。」








「懐かしい限りさね。」








三人は、姫椿と月を見上げた。
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