-雪女郎- 千寿
女将はゆっくりと振り返った。








「わっちはそうは思いんせん。」








「・・・?」









「わっちは真実を知ることで、成長しました。美しくなったんです。」









「真実は・・・人として生きていくために、なくてはならないものではないのですか?」









雪洞は・・・









月を見上げた。










「風鈴姐さんは・・・女将さんに霞草を残していかれましたね。」









女将は、うなずいた。
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