恋愛ジュース
「行ってきま〜す」
「いってらっしゃーい」
勢い良く、扉を開いて…あたしは学校へと向かう。
履き慣れない革靴。
23センチにしといて良かった。
靴擦れ予防のために、1センチ大きめを買っておいて、正解だった。
黒く光る革靴は、コツコツと音をたてる。
あたしは、浮かれていた。
浮かれ過ぎて、道端で知らない人とぶつかったのだ…。
「すっすみません!」
「あ?」
うわっキレてる。
しかも、同じ制服?
彼は、肩に手を当てながら、鋭い目付きで怒鳴った。
「…超痛いんだけど。…骨折したらどうしてくれんだよ?気取ってんな!このブスが!!」
いきなりの事に、あたしは唖然とする。
超痛い…
骨折…気取ってんな…
ブス…
ブス…!?!?
あたしは絶望に墜ちた。
「…あたし…思い切ってメイクしてみたんだけど…やっぱりブス?高校生らしくない?(泣)」
あきらかに初対面の人に言う言葉ではない。
けど、彼がキレた事よりも、真希姉がしてくれたメイクをブスと言われた事の方が、あたしにとって一番つらかった。