戻れず。戻らず。
━━小さな僕。隣にはいつも明るい笑顔の君がいて。

走り回っては親に叱られてた。
まるで昨日のことみたいに鮮明に思い出せる。

━━昨日のことだったらよかったのに。

毎日横を向けばあいつがいて。僕の手を引っ張っては外に連れて行った。


いつからだっただろう。

隣を向いて、あいつがいなくなっていたのは。


いつからだっただろう。

こうして、1人だけで図書館に来るようになったのは。

━━いつからだっただろう。

あいつのことが愛しくて、愛しくて、たまらなくなったのは。


ゆっくりと目を開ける。
本の白さが妙に目にしみた。
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