愛すべき君へ
「あんたの名前は?」
僕は淡々と聞いた。
「あ、私の名前は
中里そらって言います!
そらって呼んでください!」
「敬語じゃなくていいよ」
僕は爽やかに答える。
女なんて所詮こんな
生き物だって思ってた。
そらに出会う前までは―
キーンコーンカーンコーン
「席つけー!」
ハゲた親父の担任が
入ってくる。
「今日からここのクラスを
受け持つことになった
山田だ!よろしくな!
お前らは1-Bとして
これから1年暮らして
行くことになる!」
東山中からは
俺ただ1人がこの
隻目高校にきた。
仲間だって彼女だって
全部全部奪われた。