愛すべき君へ
「莢花...てめえ」
僕は莢花を睨みつけた。
「そんな目で見ないで...っ」
莢花はいきなり
泣き崩れた。
「うぅっ...
まだ叶が好きなのっ..」
いきなり号泣する
莢花を見て僕は
どうすることも
できないままでいた。
「何してんだよ!!」
そう言って駆けつけたのは、
愁悟だった―
「叶、莢花に何してんだよ」
愁悟は僕に掴みかかってきた。
「何もしてねえよ!
いい加減その被害妄想やめろよ!!!」
僕は力いっぱい愁悟に怒鳴った。
「愁悟くんやめて!!
叶は何も悪くないの!!!」
そう言って莢花は
僕を庇った。
「さや...か?」
愁悟は唖然とする。
「やめろよ莢花...
今さら遅えんだよ」
僕はそう言って
そらを保健室へと運んだ。