愛すべき君へ
僕は保健室から
出た後に、
そらに聞こえないように
声を殺して
保健室の扉の
前で泣き崩れた。
莢花をフッた
あの日の情景を
思い出す―
「そらっ...」
僕はそらの名前を
かすれた声で
呼び続けたんだ―
保健室の中では
そらの泣き声が
響き渡っていた。
「ごめ...んな...」
もうそらを
幸せにできない。
愛してたのに...
もう僕はどうやって
生きていけば
いいのだろうか...
全力で君を
守りたかった―
全力で君を
もっと愛したかった―