あなたがいてくれた‐いじめ‐

川瀬メイは最後に屋上に連れて行ってくれた。

昼休みだというのに誰もいなかった。

「ここの学校の屋上はとっても気持ちいのよ!
風がとっても優しくて、よくサボりにきちゃうの。・・・秘密よ」

可愛くウインクをして見せた。

吐き気がするほど気持ち悪かったが。


「そうだ、私たちお友達にならない?
私、あなたとならとっても仲良くなれてるわ!ねえ、小柴さん」


友達・・・ね。

川瀬メイを睨んだ。


「猫」

「は?」


「猫かぶるの、止めてくれる。似合ってないし、不快だわ。」

「何言ってるの?これが私の性格なのよ、失礼にもほどがあるんじゃない?」

顔を崩さないようにと笑顔のつもりだろうが、醜く歪んでいた。


「佐伯優衣、いじめてるよね。なんで?
なんでそんなに貴女は歪んでるの?

どうしてここの学校の人間は貴女を特別扱いするの?
貴女はいばる権利なんてあるの?」




歪んだ笑顔が、無表情に変わった。
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