あなたがいてくれた‐いじめ‐
第2章 キミ
私は今、自分の家の前に立っていた。
吐き気と、眩暈の止まない家の前。
私が今までの17年間、ここで育ってきたことに腹が立つ。
周りの家が綺麗に掃除され、
温かい明かりがついていると言うのに私の家は汚く腐っているように見える。
私がこの家が嫌いだからかもしれない。
しかし今日は明かりがついていた。
一階の一番端、リビングだった。
『アイツ』が帰ってきた。
『アイツ』が。
母親が。