あなたがいてくれた‐いじめ‐


「すみません」


私は振り返ること出来ず、硬直していた。


襲われる!!!!!


こんな時間に人が居るなんてありえない。

きっと痴漢か・・・通り魔か。

今まで沢山ひどいことはされてきたが、

これほど危機感を感じたことはなかった。


どうやって逃げようとか、110番しなきゃとかで頭の中はいっぱいだった。


「すみません」


3度目。

私は勇気を振り縛り振り返った。

殺される覚悟は出来ていた。


――――死にたかったのに、いざ死ぬとなるとこんなに勇気がいるんだ。


最後に思ったことは、そんなことだった。







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