あなたがいてくれた‐いじめ‐
屋上は、静かに風が流れていた。

気持ちが落ち着いて、利世に全てを話した。

話しているとき、利世は顔が曇ったり、俯いたり。

最後には涙を流していた。

私はどうして良いのか分からず、とりあえずハンカチを渡した。

彼女は笑顔になって、

「ありがとう。」

と、言った。



「その、雪夫さんって人に会いたいんだけど。」

下駄箱で靴を履きながら、利世が言った。

「いいよ。」

その時、私は視線を感じた。

川瀬か。

その川瀬が言った。

「小柴、アンタ佐伯と明日8時にトイレね。」

川瀬は笑顔で言った。

私は、川瀬を睨んでやった。


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