あなたがいてくれた‐いじめ‐
また…きた。

吐き気。


ここで吐いちゃいけない、そう思いながらもハンカチを取り出し、口に当てる。

吐いても楽にならない事は分かっている。

どうして、吐き気が毎回起こるのかってことも、分かってきた。


『寂しい』


その言葉が、繰り返し聞こえる。

どんなに叫んだって、答えてくれないけれど、答えてくれた。

彼女は答えてくれた。


『優衣は可愛いよ。心が純粋だもん。』


彼女は言った。

私に言った。

ためらわず、恥ずかしがらず、本当の事かどうか知らないけれど、


利世は言ったんだ。



< 49 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop