あなたがいてくれた‐いじめ‐
雪夫さんの声がだんだん、薄れていくのが分かる。

目も、半開き。

手も、ぐったりしている。

もう・・・これでさよなら?


「私は・・・なんとなくです。」

そう言って、笑った。

心配、掛けたくない。

「・・・雪夫さん、縄外します。」

私は、そっと縄に触れた。

「・・・・・・優衣ちゃん、もういいよ。もう、私は生きられない。分かるんだ。」

雪夫さんは、俯いて呟いた。

「・・・・・・私、最高の友達が居るんです。利世って言うんですけど、私の見方なんです。」

何故、私がこのとき利世の話をしたのか分からない。

雪夫さんは、笑顔で言った。




「良かった。」









『さようなら』











< 55 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop