あなたがいてくれた‐いじめ‐
利世が叫んでる。


何故か、私はそう思った。

利世は、ずっと遠くに居るはずなのに。



鉄の壁をどう開けようかなんて、自殺行為だ。

一生懸命手で開けようとしたら、手の皮がめくれて血が出てくる。

蹴ったって、足を挫くだけだった。

もう、逃げ出せない?

携帯だって、電池切れだった。

充電器は見つからない。

そろそろ、4日目の朝を迎えようとしている。

お腹も空いてきたが、昨日の夜に全て食べてしまった。


私はここで、死ぬ運命?



「利世。」

小さく呟いた。



届くわけ、無いのに。





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