あなたがいてくれた‐いじめ‐
「そう簡単に言えると思う?」

「思うわ。貴女、怖がりだもの。自分で殺した事が無いから分からないんだわ。」

私は言い張った。

川瀬は私を蹴飛ばし大声で叫んだ。

「黙れ!!!!!!!お前に何が分かる・・・!死ね!!」

「そんな事言ったって無駄よ。」

私がそう言った時、本棚の上の光るものが目に入った。


「コレ何?」


手に取り、少し眺めた。

「それは!!!」

川瀬が、コレを奪い返そうとするが、ひらりとかわす。


「鍵。」


川瀬は困った顔をしたが、それはすぐに自信に満ち溢れた顔になった。


「鍵あっても、場所は分かんないでしょ。」


私は、ポツリと呟いた。


「――――――――――――。」


この言葉に、川瀬の目は大きく開かれる。



「場所、案内してよ。」


川瀬なんて恐くない。

彼女は、彼女は大きな秘密を抱えていた。













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