あなたがいてくれた‐いじめ‐

「優衣ちゃーん。」


彼はひょこっと現れた。

校門の前。

彼…要君。

「…。」

無視する。

何故、私と要君がまた会ってしまったのか分からない。

偶然…?

学校まで?

「不審そうな顔してる。いやー、また会いたいなって思って。」

チャラい男。

ふざけんじゃないわよ、こっちは色々悩んでるんだってのに。

そんな私の気持ちを察したかのように彼は言った。

「話とか、聞いてあげるけど。」

さっきの口調とは違う、別人のような口調だった。




「…。」


私は俯いた。

「座って話そうか。」

要君はそっと私の腕を引っ張った。


< 78 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop