あなたがいてくれた‐いじめ‐
「優衣ちゃーん。」
彼はひょこっと現れた。
校門の前。
彼…要君。
「…。」
無視する。
何故、私と要君がまた会ってしまったのか分からない。
偶然…?
学校まで?
「不審そうな顔してる。いやー、また会いたいなって思って。」
チャラい男。
ふざけんじゃないわよ、こっちは色々悩んでるんだってのに。
そんな私の気持ちを察したかのように彼は言った。
「話とか、聞いてあげるけど。」
さっきの口調とは違う、別人のような口調だった。
「…。」
私は俯いた。
「座って話そうか。」
要君はそっと私の腕を引っ張った。