あなたがいてくれた‐いじめ‐
要君は小さな喫茶店に入った。

最近出来たんだよって教えてくれた。


「で、どうしたの?」

「・・・」

私は俯きひざの上にある小さな拳を見た。

「わ・・・たし、学校で・・・い、いじめられてて。」

目に涙が浮かんだ。

拳が4つ見える。

「助けてくれた、友達。助けてくれたのに、信じれなくて。きっと、もう、私のことなんか、・・・嫌いに、なって・・・・・・・―――」

詰まった。

もう喋れない。

要君の声がした。

やけに耳に響いた。



「優衣ちゃん、髪切ろっか。」



脳裏にトイレでのことが思い浮かぶ。



「いやっ!!!!!!!!!!」


店中に私の叫び声が響いた。

周りのお客さんは一斉に私を見る。

要君の優しい顔が見えた。

「大丈夫。聞いて。」

さっきのチャライ要君はどこ行ったんだろう。

そんな感じだった。

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