あなたがいてくれた‐いじめ‐

「早くしろよ」

川瀬はそう言って、持っていた髪放した。

そして足で頭を思いっきり押し付けられる。

支えていた腕は加えられる力に耐え切れず崩れてしまった。

便器のなかに顔を押さえつけられ、

呼吸が出来なくなる。

息を吸おうとすると、

ゴフッと声にならない声が漏れた。

それと同時に汚水が鼻と口に入り、食道を通っていった。

なんとも言えない感覚に襲われる。


「え・・・マジかよ」

「メイ、こいつ飲んだ?」

川瀬は完全無視しして、また私の髪を荒く掴んで引っ張った。

頭の皮膚がはがれてしまうような痛さだった。


「気持ち悪いんだよ。死ねよ。」


吐き捨てて背中を蹴りつけた。

勢いあまって便器に顔面をぶつけた。

念を押すようにわき腹を蹴られた。


そうして彼女たちはトイレを出た。

しばらくしてチャイムが鳴り、

私も静かにトイレを後にしたのだった。
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