【企】エメラルド
午後になったら、天気予報通り空はすっかり太陽の光が差し込んで来た。


芝生はまだ水気が引かないよねっ?


―――それでも?


気づいたら!
私は…急いで支度をして公園にダッシュした。


春輝くんは来ないと思うけど。



【描きたい!!】



生暖かい風が、自転車を加速する。


そして。


大木の前に着くと、葉っぱから雨の滴がゆっくり落ちてきた。

芝生の上にシートをひいて、急いでスケッチブックを広げた。


『雨の後も…綺麗!!!』



感激に浸っていた時。


「……やっぱり来てたね?」


背後から、聞こえる声。


「春輝くん……?」


なんで?
驚いたのは、大事に持っていた春輝くんの右手。


「……見て欲しいんだ!」


「えっ??」


春輝くんの右手には、スケッチブックがあって、髪を掻きながら私に渡した。


「……あ、その前に補足ね?」

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