【企】エメラルド
静かな時間の中で、私は何十色もある色鉛筆の中から、沢山のグリーンを選び、色を重ねていた。


「………うーん?」


納得いくまで、描く楽しさ。


時間の流れと共に、太陽や雲も動いていく。


大木の特徴を掴みながら、にらめっこは続いた。


『あ、カップル登場?』


私と同じ位な歳の男女が、大木の下で座りだした。


爽やかな男の子?
体育系なガッシリした体格。


そして。


長い髪で…顔が隠れて見えないけど、背が小さい女の子。


ギャラリーは沢山いるし、こんな大きな公園だもん。


昼間のデートには、最適だし…結構見慣れたかも。


私の存在も分からないみたいだ。


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