√番外編作品集


やめて



身を翻す。
制服は、私の通う二条西の制服ではない。

ゆるやかなプリーツの入った山吹色の地にタータンチェックのハイウェストスカート
可愛いデザイナー制服が有名な、私立立幸館高校。


ゆっくりと、私は何かの台へ上がった。
それは、ライブハウスに置かれている、スピーカー。



やめて


シャツの下には、ビーズが所々に輝いて、雪の結晶が刺繍されているキャミソールが覗いていた。

手に涙が落ちる。

私の叫び声が、涙になったのかもしれない。
シャツを脱ぎ終えると、私はフロアについた照明を見上げて、袖をくくりつける。


ぎゅ、ぎゅ、と何度も確かめるように、力を込める。
明かりのついていない照明が揺れる。
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