√番外編作品集
昼ご飯は、クラスメイト3人で食べる。

千恵、私、そして友達に加わった長谷川沙織。

3人グループの中でもダントツで美人で、なにより長い睫が人目を引いた。

あまり自分から周囲に漏らしたりはしないけれど、読者モデルとかもしてる本当の「美人」さんだ。


「っていうか、マジさぁ河田相手にしたくない」

「河田って?」

沙織がお弁当を広げながら、不機嫌そうにランチタイム開始を告げる。

「あの廊下側の席のバカ! すっごい、うるさいんだもんメアドメアド教えてって」

「沙織、そんな大声で言ったら聞えるよ」

千恵が焦るが、沙織は肩を竦めた。

むしろ聞こえてしまえばいいと言いたげだ。

「沙織には櫻井君っていう彼氏がいるんだって言えばいいのに」

「えー櫻井君がって? 言っても意味なさそう。だって絵里子も知ってるでしょ、本気じゃないもん」

「下級生で遊ぶの良くないって、悪女とか噂されるよ?」

私が言うとモテないひがみですかぁ、と沙織が笑った。

「でもさ河田君ってちょっと怖いよね。髪染めてるし、なんかケンカとか、してそう」

「だよね、校則違反の塊だし」

千恵の言葉に沙織がチラリと河田君を見た。
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