√番外編作品集
「ねぇ、黒沢君、あそこなんで左辺にいくの?」
はじめて声をかけた。
彼は、私の声に気づいてくれた。
黒沢君が私のノートを覗き込む。
その目線が追うのは、死の待ち受けでぼろぼろになったあまりにつたない私の式。
「お前、だってここで左辺にx置き去りにしてる」
トントン、と軽快にノートに彼の指が踊る。
繋がった
繋がったよ。
耳鳴りがする頭を押さえ込むように
お礼も言えないまま、急いでシャーペンを走らせた。
"昼休み、屋上に来てくれる?"
はじめて声をかけた。
彼は、私の声に気づいてくれた。
黒沢君が私のノートを覗き込む。
その目線が追うのは、死の待ち受けでぼろぼろになったあまりにつたない私の式。
「お前、だってここで左辺にx置き去りにしてる」
トントン、と軽快にノートに彼の指が踊る。
繋がった
繋がったよ。
耳鳴りがする頭を押さえ込むように
お礼も言えないまま、急いでシャーペンを走らせた。
"昼休み、屋上に来てくれる?"