√番外編作品集
嫌いだって言われても

興味がないって言われても

好きな人がいるって言われても


「……っ……はっ…」


走っていると、涙が出た。


『はい、黒沢です』


通話がはじまっていることに気づいたのは


少し遅れて耳に入ってきた黒沢君の声。


「……っ……うっ…」



黒沢君の声だった。




山岸です、好きです。




それだけ言えればいいんだ、と息を吸った途端。

予想外の声が、電話の向こうから聞えてきた。


『潤、誰だったぁ?』

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