√番外編作品集
吹奏楽部の後輩に指導をしていると、堀口俊彦のケータイが鳴った。
盛夏
夏休みに入って2週間ほどたって
セミの音もそろそろ耳に馴染んできた昼下がりだった。
俊彦はケータイを手に取って、メールを開いた。
メールの差出人は、他校の後輩
黒沢潤からのメールだった。
珍しいヤツからメールが来たな、と思った。
黒沢潤というのは、俊彦の1つ下。二条西高校という公立進学校の2年生だった。
進学クラスに在籍しているので女子の人気があるような気がしていたが、性格に難がある。
いや決して悪い訳ではないのだが俊彦が思うにはひどく「特別」なタイプだった。
年の割にはやけに淡々としていて──別に冷めているわけではないのだが
興味の方向性が人とは違った方向性に向いていたりする。
同じ高校生ながら、やはり学年が違うせいかとも思った。だがその特異な空気が俊彦にはイマイチ理解ができなかった。
まだ出会ってから一ヶ月ほどしか経ってないのだから、理解できないのは当たり前だと思っていたのだが
とりあえず、自発的にメールを投げてくるようなタイプだとは思えなかった。
メールは、今日の夕方時間があるかどうかを聞いていた。
後輩の指導が終われば、今日は模擬もないので時間があった。
時間がある旨をメールすると、5分ほどして、場所の指定が返ってきた。
"今日16時に喫茶店コートダジュールで"
彼からお茶の誘いなんて、明日は雨だろうか
いや進路の相談かもしれない、と適当に納得する。
盛夏
夏休みに入って2週間ほどたって
セミの音もそろそろ耳に馴染んできた昼下がりだった。
俊彦はケータイを手に取って、メールを開いた。
メールの差出人は、他校の後輩
黒沢潤からのメールだった。
珍しいヤツからメールが来たな、と思った。
黒沢潤というのは、俊彦の1つ下。二条西高校という公立進学校の2年生だった。
進学クラスに在籍しているので女子の人気があるような気がしていたが、性格に難がある。
いや決して悪い訳ではないのだが俊彦が思うにはひどく「特別」なタイプだった。
年の割にはやけに淡々としていて──別に冷めているわけではないのだが
興味の方向性が人とは違った方向性に向いていたりする。
同じ高校生ながら、やはり学年が違うせいかとも思った。だがその特異な空気が俊彦にはイマイチ理解ができなかった。
まだ出会ってから一ヶ月ほどしか経ってないのだから、理解できないのは当たり前だと思っていたのだが
とりあえず、自発的にメールを投げてくるようなタイプだとは思えなかった。
メールは、今日の夕方時間があるかどうかを聞いていた。
後輩の指導が終われば、今日は模擬もないので時間があった。
時間がある旨をメールすると、5分ほどして、場所の指定が返ってきた。
"今日16時に喫茶店コートダジュールで"
彼からお茶の誘いなんて、明日は雨だろうか
いや進路の相談かもしれない、と適当に納得する。