√番外編作品集
音がして、ビクっとしてドアへ視線を投げるとクラスメイトの河田君が顔を覗かせていた。
「山岡ちゃん、おばんでーす」
「河田君」
堀口記念病院
病院の角の中部屋の108号室
私──山岡千恵は入院していた。
入院なんて、小学生の頃に盲腸で入院してからずっとご無沙汰だった。
父親も母親も医療関係者だけれど入院施設を持たない小さな病院を営んでいるだけだし、親が医師だったおかげか病気には無縁だった。
私がどうしてここにいるかというと、ほんの数時間前に怪我をしたからだ。
この病院の入口で怪我をした。
ここ数日謎の事件を追う私たちの前に、姿を現した『√の女』によって傷つけられた。
思い出すだけで、震えた。
「入っていいかな」
頷く私に、河田君は嬉しそうに中へ入ってきた。
時計の針はすでに夜遅くを示していて、面会の時間なんて終わっていた。
それ以前に、なんでこんな……堀口記念病院に、彼の姿があるのだろう。
「山岡ちゃん、おばんでーす」
「河田君」
堀口記念病院
病院の角の中部屋の108号室
私──山岡千恵は入院していた。
入院なんて、小学生の頃に盲腸で入院してからずっとご無沙汰だった。
父親も母親も医療関係者だけれど入院施設を持たない小さな病院を営んでいるだけだし、親が医師だったおかげか病気には無縁だった。
私がどうしてここにいるかというと、ほんの数時間前に怪我をしたからだ。
この病院の入口で怪我をした。
ここ数日謎の事件を追う私たちの前に、姿を現した『√の女』によって傷つけられた。
思い出すだけで、震えた。
「入っていいかな」
頷く私に、河田君は嬉しそうに中へ入ってきた。
時計の針はすでに夜遅くを示していて、面会の時間なんて終わっていた。
それ以前に、なんでこんな……堀口記念病院に、彼の姿があるのだろう。