√番外編作品集
「黒沢の場合もそうなの?」

「んっと……」

マジメに赤面してる。

山岡ちゃんって分かりやすいなぁ

まぁ、たしかに山岡ちゃんは黒沢のことが真剣に好きなんだろう。

遊びなんかじゃないと思う。

ちなみに黒沢……というのは、俺と山岡ちゃんのクラスメイトだ。

ヒマな時は寝てるかジュースを飲んでるか、高確率で本を読んでる。

本は大概横文字の……流行のケータイ小説とかだったりすると笑えるけど、ギリシャ文字が数字とイチャイチャしている数学の問題集だったりする勉強(特に数学)大好き君だ。

俺のクラスは理系進学クラスなので、そんなヤツはざらだけど。

「潤のことは……突然スキになっちゃったんだ。自分の気持ちを見つめるとか、そんないつもの間なくって、ぽーん、って高飛びしたみたいに」

ゆっくりと確認するように話をする山岡ちゃんに2回ほど頷く。

「だから、なんか自分の中でもよく分からない。予習も復習もしてないのに、試験で100点取れちゃった感じだよ」

「なるほどね、山岡ちゃん的に、運命の恋愛みたいなものなのか」
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