√番外編作品集
「ありがとう」
山岡ちゃんは微笑んで俺に答えると、続けた。
「河田君は…スキっていう領域が広くて、でももっとスキになれるひと、探してるんだね」
「んー…そうだね、運命の人にまだ会えてないのかもなぁ、とも思う」
手を空へかかげると、指にはめたシルバーリングが白く漂白して見えた。
「だからこそ、スキだと思ったら特別な相手になれるかどうか確かめようとするんだよ、俺」
手当たり次第? と山岡ちゃんは苦笑した。
よくないコトだとは思うけど
本当に大切だと思える人に出会えるかなんて確証はどこにもない。
その前に死んじゃうことだってあるし
信じていたのにいなくなってしまうことだってある。
だから、たくさん会って、確信したい。
スキだと思えた人の中から、もっと愛せる人を探し出したい。
俺って焦ってる?そうでもないよね。
……んだけど、まぁ、さておき。
怒られるよな。
俺は一応、みんなに真剣なんだけど。
「河田くん、百面相」
「え? はははー」
「ちょっとやり方はどうかと思うけど、好きな人を真剣に探そうっていう気持ちは分かるよ」
山岡ちゃんは言いながら視線を本に投げた。
理数系なのに、そんなびっしり英語の本を読んで
山岡ちゃんは勤勉だ。
「時間は無限にあるわけじゃない。限られた時間の中で精一杯生きないと」
「……」
あの事件以降、山岡ちゃんの言葉には随分と説得力がある。
辛かっただろうし
怖かっただろうし
苦労したもんな。
山岡ちゃんは微笑んで俺に答えると、続けた。
「河田君は…スキっていう領域が広くて、でももっとスキになれるひと、探してるんだね」
「んー…そうだね、運命の人にまだ会えてないのかもなぁ、とも思う」
手を空へかかげると、指にはめたシルバーリングが白く漂白して見えた。
「だからこそ、スキだと思ったら特別な相手になれるかどうか確かめようとするんだよ、俺」
手当たり次第? と山岡ちゃんは苦笑した。
よくないコトだとは思うけど
本当に大切だと思える人に出会えるかなんて確証はどこにもない。
その前に死んじゃうことだってあるし
信じていたのにいなくなってしまうことだってある。
だから、たくさん会って、確信したい。
スキだと思えた人の中から、もっと愛せる人を探し出したい。
俺って焦ってる?そうでもないよね。
……んだけど、まぁ、さておき。
怒られるよな。
俺は一応、みんなに真剣なんだけど。
「河田くん、百面相」
「え? はははー」
「ちょっとやり方はどうかと思うけど、好きな人を真剣に探そうっていう気持ちは分かるよ」
山岡ちゃんは言いながら視線を本に投げた。
理数系なのに、そんなびっしり英語の本を読んで
山岡ちゃんは勤勉だ。
「時間は無限にあるわけじゃない。限られた時間の中で精一杯生きないと」
「……」
あの事件以降、山岡ちゃんの言葉には随分と説得力がある。
辛かっただろうし
怖かっただろうし
苦労したもんな。