√番外編作品集
でもいつも

山岡ちゃんは笑ってたし

そういうところは、おふくろに似てるなぁと思う。

「俺、分身できればいいのにって思うよ」

「それは無理だよ」

「そしたら、運命の人に出会える確率上がるじゃん?」

山岡ちゃんは笑って本のページをめくった。

俺も邪魔しないように、次の次の時間のプールまで時間を潰そうと目を閉じた。

柑橘系の、山岡ちゃんの香水の香りがする。

昼休みが終わるまで、屋上はとても静かだった。







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