√番外編作品集
「黒沢、今日時間ある?」
HR中に背中をボールペンでつつく。
黒沢は相変わらず寝ぼけていた。
振り返りもせず、遅れて1回頷きが返ってくる。
敦ちゃんに捕まる前に、学校を出た。
昇降口で山岡ちゃんに手を振って別れを告げると、黒沢をひっぱって近くのファミレスに急ぐ。
「相談なんだよ」
「再テストのか?」
黒沢はオレンジジュースにさしこむストローを引き抜いて袋を弄りだした。
「違う、運命の人の」
こいつ、また頭がおかしくなったか
黒沢は黒い目を俺に向けてそんな圧力をかけてきた。
「真剣なんだよ、お前の恋バナを俺は真剣に聞きたい!」
黒沢の視線はさらに冷たくなった気がしたが、俺は無視してドリンクバーにカプチーノを入れ、本腰を入れて席に着いた。
「人の話聞いて、どーすんの?」