√番外編作品集
「俺のy値を探す手だてにする。一応な、相沢と岸三田と大河原からは話聞いてて」
こいつは数学バカだから、アリストテレスだのユーグリットだのと骨になった偉人を好きだと言ってるが
聞きたいのは「尊敬」とかいう好きじゃなくて、もっとお手軽で自分にとってリアリティのある話だ。
「…y値…?」
鋭い視線を受ける前に説明をする。
黒沢はやっぱり女のこと、と呆れていたが。
「山岡ちゃんがさ、お前と俺の恋愛観が似てるッて言ってたからさ」
「山岡がそんなこと言ったのか?」
黒沢は意外そうな顔をする。
「うん、山岡ちゃんが言ってた」
「ふーん、そうだな。区別してるって言ったらそうかもな。でもお前と一緒にされるのは間違えてるけど」
区別しないってことは俺と同じってことだよな。
一緒にされたくない理由は、あえて聞かないようにしよう。
「なぁなぁ、運命の人は」
身を乗り出すと、黒沢が身を引いた。
「うんめいのひと?」
「例えば結婚したいなーって思う人とかさ、ずっと一緒にいたいって思う人だよ、いた?」
気が早いヤツ、と黒沢は言ってストローの袋を弄る手を止めた。
「いないよ」
「え~特別なヤツ、やっぱりいないってことか? 隠すなよ、親友だろ俺たち」
山岡ちゃんの言葉を思い出す。
こいつかなり難易度高いよ?
苦労するよ、山岡ちゃん。
ちょっとがっくりした俺を見て、黒沢は続けた。
こいつは数学バカだから、アリストテレスだのユーグリットだのと骨になった偉人を好きだと言ってるが
聞きたいのは「尊敬」とかいう好きじゃなくて、もっとお手軽で自分にとってリアリティのある話だ。
「…y値…?」
鋭い視線を受ける前に説明をする。
黒沢はやっぱり女のこと、と呆れていたが。
「山岡ちゃんがさ、お前と俺の恋愛観が似てるッて言ってたからさ」
「山岡がそんなこと言ったのか?」
黒沢は意外そうな顔をする。
「うん、山岡ちゃんが言ってた」
「ふーん、そうだな。区別してるって言ったらそうかもな。でもお前と一緒にされるのは間違えてるけど」
区別しないってことは俺と同じってことだよな。
一緒にされたくない理由は、あえて聞かないようにしよう。
「なぁなぁ、運命の人は」
身を乗り出すと、黒沢が身を引いた。
「うんめいのひと?」
「例えば結婚したいなーって思う人とかさ、ずっと一緒にいたいって思う人だよ、いた?」
気が早いヤツ、と黒沢は言ってストローの袋を弄る手を止めた。
「いないよ」
「え~特別なヤツ、やっぱりいないってことか? 隠すなよ、親友だろ俺たち」
山岡ちゃんの言葉を思い出す。
こいつかなり難易度高いよ?
苦労するよ、山岡ちゃん。
ちょっとがっくりした俺を見て、黒沢は続けた。